国や自治体には、さまざまな「給付金制度」があります。
給付金制度は、利用する制度ごとに
- 申請をする
- 受給条件を満たす
2つの条件をクリアすることで、はじめて受け取ることができます。
そのため、どんな制度があるのかを知り、申請をしなければもらうことができません。
つまり、知らないと損ってことね!
給付金制度は、知らないと申請もできないからね!
知っておかないと損をするよ!
こうしたお金の原資は、私たちが納めている
『税金・社会保険料』
なのです!
きちんと税金や社会保険料を支払っている人には、受け取る権利があります!
そっか!
それならもらえるものは受け取らないと損だよね!
そのためにも、どんな制度があるのかを知っておく必要があります!
いざというとき、公的な助けがあれば心強いですよ!
給付金制度は、利用する制度ごとに
- 申請をする
- 受給条件を満たす
2つの条件をクリアすることで、はじめて受け取ることができます。
しかし、申請をするにしても、給付制度を知らないと活用できません。
この記事では、メジャーな給付制度の一例をご紹介します!
お金をもらえる給付金制度にはどんなものがある?
生活保護
生活保護制度とは
- 住まい
- 医療
- 介護
など、必要最低限の費用をまかなうための公的な制度。
生活保護には、さまざまな条件を考慮した基準額が細かく規定されています。
- 生活
- 住宅
- 医療
- 教育
- 介護
- 出産
- 生業
- 葬祭
毎月の家賃や生活費などに加えて、「薬」や「入院」、「教育」にかかる費用などを補うため、合計8種類の扶助があります。
生活保護を受給するためには、以下の条件に当てはまっているかがポイント。
- 資産をもっていない
- 働くことができない
- 他に利用できる公的制度がない
- 親族からの支援が受けられない
以上の条件をすべて満たした上で、厚生労働省の定める最低生活費よりも、収入が下回っていた場合にのみ、生活保護を受けることができます。
児童手当
児童手当は、子育て世帯への助成制度です。
中学校卒業まで(15歳誕生日後、最初の3月31日まで)の児童を養育する方に、手当を支給します。
- 0歳〜3歳未満:1万5,000円/月
- 3歳〜小学校修了前:1万円/月(※第3子以降の場合、1万5,000円/月)
- 中学生:1万円/月
※第3子以降は高校卒業まで(18歳誕生日後、最初の3月31日まで)の児童のこと
ただし、扶養親族などの人数によって定められた、一定の所得を上回った場合、児童手当は支給されません。
※この場合は特例給付として1人当たり1ヶ月5,000円が支給される
母子手当(児童扶養手当)
母子手当(児童扶養手当)は、離婚や死別などによって、
- ひとり親家庭(母子家庭および父子家庭)
- 両親をともに失った場合
- 両親のいずれかが重度の障害を有している場合
などの事情で、「18歳未満の児童を養育している者」に対し支給される手当です。
女性が婚姻せずに、子供を出産した場合(未婚のシングルマザー)も支給の対象。
子供の数 | 全部支給の場合 | 一部支給の場合 |
1人目 | 42,330円 | 42,330円 ~ 9,990円 |
2人目 | 10,000円 | 9,990円 ~ 5,000円 |
3人目以降 | 6,000円 | 5,990円 ~ 3,000円 |
母子手当は所得制限があり、一定の所得を超える方は受けることができません。
所得によっては全額支給ではなく、一部支給となる場合もあります。
支給の申請をした翌月から支給され、1度に4ヶ月分の支給額がまとめてもらえます。
失業手当
失業手当は、公的保険制度の一つ。
勤務先をなんらかの事情で退職しなければならなくなったときに、次の仕事が見つかるまで、国から給付されます。
失業手当は、退職した時の事由によって受給条件が異なります。
自己都合退職 (正当な理由なし) |
①離職日以前の2年間に、被保険者期間が1年以上あること ②待期期間7日間満了後、さらに3ヶ月の給付制限期間がある |
自己都合退職 (正当な理由あり) |
①離職日以前の1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給条件を満たす ②7日間の待期期間が完成すれば、直ちに基本手当の支給を開始 |
会社都合退職 | ①離職日以前の1年間に、被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給条件を満たす ②7日間の待期期間が完成すれば、直ちに基本手当の支給を開始 |
定年退職 雇用契約満了など |
①離職日以前の2年間に、被保険者期間が1年以上あること ②7日間の待期期間が完成すれば、直ちに基本手当の支給を開始 |
※自己都合退職の正当な理由なしは「転職」や「起業」を目的とした自発的な離職のこと
傷病手当金
傷病手当金とは、健康保険の加入者が
『業務外の病気やケガ』
などにより、働くことができない状態になったとき、給与の2/3の額を最長で1年6ヶ月受け取ることができる制度。
- 協会けんぽ
- 健康保険組合などの健康保険
などに加入している人が対象です。
国民健康保険の加入者は、申請することができないので注意!
傷病手当金は、会社経由で健康保険に申請をすることでもらうことができます。
支給対象は、
『4日以上休んだ場合』
たとえば、インフルエンザで出勤停止になり、5日間休んだ場合なども手当を受けることができます。
えっ!?マジで!?
知らずに申請をしていないこと普通にあるな!
申請漏れを防ぐために、これは覚えておきたい!
支給される期間は最長で1年6ヵ月までです。
1日あたりの平均給与の2/3相当額を受けることが可能。
ただし、欠勤している期間も給料がいくらか支払われる場合は、標準報酬日額の約3分の2から給与分を差し引いた一部支給となります。
職業訓練受講給付金
求職者支援訓練を受講するのが前提で、以下の条件を満たした方が給付を受けられます。
- 本人収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月25万円(年収300万円)以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 現在住んでいる所以外に土地・建物を所有していない
- 訓練実施日にすべて出席している
- 同世帯の中に同時に給付金を受給して職業訓練を受けている人がいない
- 過去3年以内に偽りや不正行為により、特定の給付金支給を受けていない
- 前回の受給から6年以上経過している(過去に同給付の受給歴がある場合)
給付金は、「職業訓練受講手当」と「通所手当」の2つから構成されており、
- 職業訓練受講手当:月額10万円
- 通所手当:訓練機関までの交通費(上限額あり)
ただし、訓練期間中から修了後まで、定期的にハローワークへ足を運び、職業相談を受けることが必要。
利用する人は、忘れないようにしないように注意しようね!
教育訓練給付金制度
教育訓練給付制度は、労働者や離職者が自ら費用を負担して、
『厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講・修了した場合』
その教育訓練施設に支払った経費の一部を支給する制度です。
つまり、指定する資格取得のために通った専門学校の費用を補助してくれる制度です。
専門学校に支払った
『入学金および受講料(最大1年分)の20%』
に相当する金額が教育訓練給付金として支給されます。
下記の費用は支給の対象外です。
- 受験料
- 講座に必須でない教材費
- 補講の費用
- 交通費
- 教育訓練給付金の申請時点で未払いの学金および受講料
支給額は4,000円~10万円の範囲内で、最大でも10万円までの支給となります。
ジャンル | 対象資格 |
運転免許 |
|
調理・管理栄養 |
|
語学 |
|
医療・福祉 |
|
IT・情報 |
|
ビジネス |
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お金 |
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法律 |
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その他 |
|
介護休業給付金
介護休業給付は、雇用保険加入者が家族の介護で休職が必要になった際に
「賃金日額の40%」×「休業日数分」
を家族1人ごとに1回、通算93日分まで支給される制度。
雇用保険の制度になるので、雇用保険に入っていない人は対象外。
介護を事情にすぐに離職してしまう人が多いのですが、仕事を辞める前に限界まで介護休業給付を受けるという選択肢もあります。
そっか!制度を最大限活用する方法もあるんだね!
ってことは…。
介護休業して退職した後に失業手当もダブルでもらえる!?
なんてことはできません。
- 失業保険
- 産休
- 育休時
などの各種手当などとは、併用ができませんので注意です!
併用不可ということは、覚えておこうね!
遺族年金
遺族年金は、「国民年金」「厚生年金保険の被保険者」「被保険者であった方」が、亡くなったときに残された遺族が受けることができる年金です。
遺族年金には、
- 遺族基礎年金
- 遺族厚生年金
の2種類があり、亡くなられた方の年金の納付状況などにより、「いずれか」または「両方」の年金が支給されます。
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、「被保険者」または「老齢基礎年金」の受給資格期間が「25年以上ある者」が死亡した場合、残された遺族(子のある配偶者または、子)が受給できます。
※子は18歳になった年度の3月31日までの間にある子
※20歳未満で障害等級1級または2級の障害状態にある子
※婚姻していないこと
遺族厚生年金
遺族厚生年金は、
- 会社員などの厚生年金加入者が死亡した時
- 厚生年金の加入中に初診日のある傷病で初診日から5年以内に死亡した時
に残された遺族に対して支給。
遺族厚生年金は、前出の遺族基礎年金の金額に加算されて支給されます。
遺族の範囲も遺族基礎年金より広く、
- 18歳未満の子がいない配偶者
- その他の人に支給
に対しても支給されます。
遺族厚生年金は、子がいなくても配偶者に支給されることから「夫婦年金」ともいわれている制度です。
障害年金
障害年金とは、障害や病気によって生活や仕事に支障が出た場合に支給される年金。
障害年金は年齢を問わず受け取ることができます。
※障害者手帳の交付とは関係なく手帳を所持していなくても支給されます
障害年金には、
- 障害基礎年金
- 障害厚生年金
の2種類があります。
障害基礎年金
障害基礎年金は、障害や病気について、「はじめて」または「歯科医師の診療を受けた日(初診日)」に、国民年金に加入していた方が受給できる障害年金。
- 20歳未満(国民年金に加入前)
- 60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間で日本に住んでいる間)
に障害が生じ、その状態が続いている人にも支給対象となる。
障害の度合いに応じて、支給額が変わります。
障害厚生年金
障害厚生年金は、障害や病気について、「はじめて」または「歯科医師の診療を受けた日(初診日)」に、厚生年金に加入していた方が受給できる障害年金。
障害基礎年金に上乗せするものとして給付されます。
障害の度合いに応じて、支給額が変わります。
高額療養費制度
高額療養費制度は、
- 国民健康保険
- 健康保険組合
- 協会けんぽ
などに加入している人が利用可能な制度。
1ヵ月に一定金額(年齢や年収により変動あり)を超える医療費の負担をした場合、超過した分を払い戻してもらうことができます。
基本的には、過払い分を後から払い戻してもらうのですが、事前に加入している健康保険に対し、
『限度額適用認定証』
を申請すると、医療費の支払を自己負担限度額にまで留めることが可能。
えっと!それなら急な病気で高額医療費が発生しても、お金を立て替えておく必要がないってことだね!
高年齢雇用継続給付
高年齢雇用継続給付は、雇用保険加入者が、
『60歳以降~65歳になる前月まで』
賃金の一部に相当する額が支給される制度です。
60歳以降の賃金が、前6ヵ月の平均月額と比べて75%未満となる場合、低下した賃金割合に応じて6万9000円~44万7600円の給付が受けられます。
60歳過ぎても働くと賃金が下がるケースが多いけど、こういう制度を活用すれば、ある程度は補填ができるんだね!
定年後に働く際は、積極的に利用したい制度ね!
すまい給付金
すまい給付金は、一定年収以下の人が家(新築・中古どちらでも可)を買う際に、補助金が出る制度です。
消費税が8%に増税するときに、住宅購入者が減ることに対する対策として作られました。
国土交通省の制度なので、地域問わずどこに住んでいる人でも利用可能。
- 消費税率8%:収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円
- 消費税率10%:収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円
を給付してくれます。
給付を受けるためには、物件の「床面積が50㎡以上」、年収の額などの一定条件を満たす必要があります。
年収の目安 | 住民税の所得割額 | 給付基礎額 |
425万円以下 | 6.89万円以下 | 30万円 |
425万円超 475万円以下 | 6.89万円超~8.39万円以下 | 20万円 |
475万円超 510万円以下 | 8.39万円超~9.38万円以下 | 10万円 |
これからマイホームを購入予定の方は、ぜひ活用しましょう!
住宅省エネリノベーション促進事業費補助金
住宅省エネリノベーション促進事業費補助金は、
- 断熱材を入れる
- 窓ガラスを高機能なものに替える
- エコキュートを導入する
といった住宅に所定の省エネ改修をした場合に、
『工事費用の3分の1・最大150万円の補助金』
を受け取ることができる制度です。
一般社団法人・環境共創イニシアチブが窓口で、どこの自治体にも住所地があるため申請可能です。
国・自治体からお金をもらう方法は?
国から給付を受けられる主な制度のご紹介をしました。
給付を受けるためには
- 給付制度のことを知る
- 給付制度の条件に自分が当てはまるかを確認する
- 必要な手続き(申請)を行う
といったことが必要になります。
世帯の状況や個人の状況によって、利用できる制度はさまざまです。
国の制度では、
- 低所得世帯
- 高齢者
- 障害者世帯
の方が優先的に利用できるよう制度が作られています。
また給付金の支給までは、制度によっては時間が掛かる場合もあるため
- 今の自分の状況にあった制度を見つけること
- 早めに申請をする
といったことの心がけることをオススメします。
困ったときには、遠慮なく国や地方自治体に頼るということは、恥ずかしいことではありませんよ。
知っておくと得する給付金制度まとめ
以上の順でご紹介しました。
芸人の家族が生活保護を長期的に不正受給をしていたことが話題になり、生活保護制度を利用することに対して、ネガティブなイメージを抱えている人も多いです。
しかし、国や自治体には、さまざまな「給付金制度」の原資は、私たちが納めている税金や社会保険料です。
きちんと税金や社会保険料を支払っている人には、受け取る権利があります!
- 申請が手間
- 受給条件が厳しい
という面もある制度もありますが、困っている人のためにある制度なので、使わないのはもったいないですよ!